【風俗で盗聴がばれた事例】
※個人情報保護のため、ご相談内容の一部を変更しております。

先日、いつも利用している店舗型風俗を利用した時のことで相談です。

前々から盗撮してみたいという気持ちがありましたが、盗撮は利用規約に違反することを知っていたので盗撮をすることはリスクが高いと考え、音声を録音するだけならばれないのではないかと思い盗撮ではなく盗聴をすることに決めました。

個室に入る前からレコーダーのスイッチを入れておいたため、特に怪しまれることはなく風俗を利用することができました。

しかし行為が終わった後にカバンから携帯を出そうとしてレコーダーが見えてしまい、盗聴していることが見つかってしまいました。

女性は「盗聴するなんて信じられない。盗聴は犯罪だ。警察に行くか?こっちは困ることはない」と強く言ってきたので、「警察に行くのだけは勘弁してくれ」と懇願すると、「じゃあ罰金として10万円払って。そしたら警察にも言わないしお店にも言わない」と言い始めたので、10万円で解決するなら安いものだと思い、その場で女性に対して10万円を支払いました。

その後、女性からは「今回はこれで終わりにしてやるが、もし何かあったら連絡するから携帯の番号を教えろ」と言われたため、携帯電話の番号を女性に伝えて店を出ました。盗聴したレコーダーは女性に没収され、データもこっちで削除するからと言われています。

この件はこれで解決できたと思っていたのですが、後日女性から連絡があり「お店にばれた。店の責任者は警察に突き出すと言っている。あとでお店から連絡があると思うから電話に出て」と言われました。

その後女性のいうとおりに風俗のスタッフと名乗る男性から連絡がありましたが、「盗聴行為は犯罪なので警察に被害届を出そうと思っている。しかし、そちらの対応次第では穏便に済ませる用意がある。」と言われたため、警察に行かれるのだけは避けたいという思いから「警察に行くのだけはやめてほしい」と伝えたところ、「だったら規約違反として罰金を払え」と言われました。

罰金としては50万円、1週間以内に指定の口座に振り込むように言われています。もしも振り込まなければ警察に被害届を出すと言われているのですが、盗聴行為を行った私は逮捕されてしまうのでしょうか。


【どのようにして解決に至ったか】

今回は盗撮ではなく盗聴を行っていますが、盗聴行為も風俗の多くは禁止事項として規約に掲載している行為です。

では、盗聴行為は犯罪になり逮捕されるのでしょうか。盗聴行為が犯罪になるのかについてまず確認です。

(リンク)「風俗や風俗での盗撮は何罪になるのか」でも説明していますが、まず、盗聴行為自体を犯罪として罰する法律は今の所ありません。

次に、盗撮に関しては各自治体の迷惑防止条例、または軽犯罪法に違反する可能性がありますが、これに盗聴が含まれるかが問題です。例として東京都の条例を確認しましょう。

 

引用:http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012212001.html

第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。

一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。

二 公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

三 前二号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。

 

これは東京都の条文ですが、盗撮行為は2項の「写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。」に該当します。しかし盗聴行為はこれには該当しません。

盗聴行為が該当する可能性があるものは、3項の「卑わいな言動をすること」ですが、風俗における盗聴行為がこの条例を根拠に逮捕されたという事実はまだありません。また、軽犯罪法についても盗聴を規定している条文はありません。

そのため、盗聴行為に関してはやはり犯罪に該当しない可能性が非常に高く、風蔵店側の「警察に被害届を出す」という行為は意味をなさないため心配する必要はありません。

しかし今回のケースでは、最初から盗聴をする意思を持って風俗舗に入っています。そのため「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入」する行為に該当するとして、建造物侵入罪(刑法130条)が成立する可能性は否定できません。

以上を踏まえ、風俗側の言動に関しては「単なる脅し」だとして終わらせずに早急に接触して解決する必要があると判断しました。
このことを相談者に伝えた上で相談者の依頼を受けて弁護士が間に入り、風俗のスタッフと名乗る男性と交渉を行いました。

まずは罰金の支払い義務がないことを伝えるとともに、女性にはすでに10万円の金銭を支払っていることやデータが入ったレコーダーも女性に没収されていることを伝え、10万円の罰金には法的根拠がないが、規約違反を行ったことを本人も反省しているためこの10万円をもって今回は終わらせてほしいという旨を伝えました。

店舗側はレコーダーを没収したことは知っていましたが、相談者が女性に対して金銭を支払っていたという事実を知らなかったようでした。

弁護士が間に入ったこともあり、「今回はこれで示談という形にしてもよい」との回答だったため、今後この件で相談者に対して連絡を取らないこと・携帯電話の番号を他の目的に悪用しないことなどを盛り込んだ示談書を作成して解決となりました。なお、建造物侵入罪での被害届についても提出はなされずに終わりました。

※これらの事例は一例で、実際に相談された事例ではありません。当弁護士事務所に寄せられる相談については守秘義務の観点から、ホームページはもとより、他者に明かすことは絶対にありませんのでご安心ください。