テーブルの上の示談書面の上にペンが1本のっている

風俗などの風俗で盗撮が見つかってしまい、示談金を支払うよう求められることがあります。

そもそも示談とは、裁判外での和解のことを言い、和解とは、争いをやめる約束をすることでせす。

つまり、風俗での盗撮トラブルに当てはめると、盗撮がばれて起き得る様々な問題を今後一切争わないことを風俗とお客との間で約束することになります。

では、示談することによってどのようなメリットが得られるのでしょうか。

ここでは、示談することのメリットと示談書を作成する時の注意点から、示談してはいけないケースについても徹底解説します。

風俗の盗撮で示談することのメリット

当弁護士事務所に風俗での盗撮トラブルに関して多いご質問内容として、「示談をすれば盗撮で警察に逮捕されることはありませんか?」といったものがあります。

確かに、刑事事件絡みトラブルの場合、示談することにより以下の2つのメリットがございます。

①警察が介入する前に示談が成立すれば突然予告なしに逮捕されることを防げるので、急に仕事を休んで会社に問題を起こしていることがばれるのを防げる。
②示談が成立すれば、成立していない場合に比して刑事罰が軽くなり、起訴前の示談成立の場合には、捜査が中断され、不起訴処分になるケースが多い。もちろん不起訴処分になれば前科はつきません。

しかし、風俗絡みで自己の性行為を盗撮して逮捕されることはまずありません。

とすれば、示談するメリットがないかとも思われますが、風俗で盗撮トラブルを起こした人が、刑事事件とは別にもう一つ気になることといえば、「風俗を利用したことや、そこで盗撮したことを周囲に知られたくない」といったことでしょう。

いくら警察沙汰にならないからといって、盗撮行為や盗聴をしたお客をすんなりと許すほど風俗や風俗嬢は甘くありません。

問題が拗れると、自宅や職場に頻繁に連絡してきて、当事者ではない無関係な家族や職場の人間に盗撮の事実を洗いざらい触れ回る悪質な風俗や風俗嬢も存在します。

しかし、示談書に「秘密保持・清算条項・禁止事項」を盛り込んでおけば、このような事態を回避する役目を果たします。

・秘密保持:契約内容や契約自体の存在を秘密にするという規定の条項
・清算条項:当事者の問題については示談書の記載内容のみに留まることを示す条項
・禁止事項とは、例えば、お客自身に対しても示談成立の後は一切連絡をしない、或いは、お客は系列店も含め二度とお店を利用しないといった、示談成立後に互いにして欲しくないことを自由に規定する条項

最低限上記3つの条項を盛り込まないと、単に形式上示談を交わしただけで、後々トラブルが再燃することもしばしばあるので、絶対に示談書に記載して下さい。
特に清算条項について記載が欠けていると、示談書として認められないこともありますので注意が必要です。

また、もう一つ付け加えた方が良いものとして、「違約金」が上げられます。
違約金とは、示談書に盛り込んだ条項に違反したときに相手方に支払う金額に関する規定です。

例えば、禁止事項に風俗嬢からのお客への連絡を盛り込んだのに、示談成立後にまた連絡してきた場合に、違約金の定めがないと示談書が抑止力として効果を発揮しにくくなります。それなりに高額な違約金額を記載した違約金条項を示談書に記載した方が万全といえるでしょう。

また、示談書を交わしたのに、風俗や風俗嬢が追加で金銭を要求してきた場合には、示談書を交わしていない場合と比べ、恐喝罪で警察が動いてくれる可能性が高まるという示談のメリットもあります。示談によって終結したはずの金銭問題を蒸し返してお金の要求をすることが悪質な取立て行為と看做されるからです。

なお最後に、示談には、一度締結してしまうと原則的に撤回できないというデメリットもありますので、風俗側から一方的に差し出された示談書である場合には、これらの条項の存在をしっかりと確認してから署名捺印するようにしなければなりません。

風俗で盗撮がばれて示談する時の注意点と正しい示談の結び方

示談は口頭でも成立するので安易に内容に同意しない

示談は法律上、諾成契約と呼ばれ、当事者の意思表示のみで成立します。つまり、口約束だけでも成立してしまいます。

例えば、風俗や風俗嬢から、「盗撮の示談金として300万円支払ってもらいますが、この金額で示談でいいですね」と言われ、その場から逃げ出したい一身で同意する発言をしてしまうと示談が成立してしまうのです。

巧妙な相手方はそのやり取りをスマホやICレコーダーで録音しており、言っていないと言い逃れできないようにしています。

また、前に述べたとおり、示談は一度成立すると原則的に取り消せませんので、その場しのぎの為に安易に相手方の示談の申し入れやその内容に同意する発言は控えるよう注意が必要です。

その場で示談書にサインをしない

盗撮がばれて風俗店員から怒号を浴びせられ、「警察に被害届を出すぞ」「家族や勤務先に連絡するぞ」と脅されて、「警察沙汰になったり妻や職場に知られてしまうくらいなら示談書にサインしてお金でなんとか解決できるほうがいい」と考え、その場で示談書にサインしてしまう人も多くいます。

散々怒鳴り散らして、最後に、「これにサインしたら今回のことは多めにみてやる」と台詞を吐くのは、飴と鞭の古典的手法です。

このような手口を使う風俗が作成した示談書は、風俗に有利な内容だけが記載されていて、上記で解説した、示談書に必須の条項が欠けていることがほとんどです。

このような場合、どんなに威嚇されて恐怖心を抱いたとしても「逃げるつもりはないが日を改めて示談しにきます」と伝えて絶対にサインしないことです。
何時間脅しつけられようが「逃げるつもりはない。改めて示談をしに来店する」この一点張りで他には何も答える必要はありません。

悪質な風俗や風俗嬢は盗撮に乗じて多額の示談金をせしめることが目的です。
盗撮をしたお客がその場で示談書にサインしないからといって、家族や職場に連絡してしまうと脅しのネタがなくなりお金を毟り取れなくなります。

通常、身分証のコピーをとるでしょうから、逃げても後追いできますし、何時間もお客とのやり取りに付き合えば風俗側も根負けして一時帰宅させる事例が大半です。

上記で触れましたが、示談は一度成立すると覆すことが困難になりますので、その場でサインせずに持ち帰ることが大切です。

風俗と示談する時には必ず委任状を受け取る

風俗で盗撮した場合には、風俗に対しては賠償責任は生じません。あくまでも、盗撮したお客と、盗撮された風俗嬢がトラブルの当事者であるため、示談書を交わすのは、お客と風俗嬢になります。

参考:風俗で盗撮がばれた時の慰謝料や賠償金の相場を公開!!

風俗と示談を結んだところで、風俗嬢と示談を結ばなければ、風俗嬢からの金銭請求に改めて応じなければなりません。

【民法113条1項】
代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。

仮に、風俗から「女の子から代わりに示談をしてほしいと頼まれてる」と言われたことを信じて、風俗と示談書を交わしたとしても、風俗嬢から「私は代理権をお店に与えたつもりはない」と言われてしまえば、民法113条の無権代理として、示談の効果は風俗嬢には及びません。

風俗嬢が後から「お店が私の代わりに示談してくれたことを認めます」と発言した(これを追認といいます)場合には、その示談も有効になりますが、残念ながら風俗嬢が追認したケースを見たことがありません。

なぜなら、風俗はお客の法的知識の欠如を利用してこれ幸いと無権代理を行っているからです。

ただ、無権代理は風俗嬢が追認しない限り効力を生じないわけですから、風俗と交わした示談契約は無効になるはずです。

しかし、風俗と交わした示談書面は一見したところ、盗撮をしたお客と風俗が示談を交わしたという形になっているはずです。
署名欄に、「○○(風俗嬢の本名)の代理人○○(店長やオーナーなどの責任者名)」という記述ではなく、単に代理人を称する者の名前しか書いていない場合はまさに、風俗と示談しただけになっているのです。

後になってお客が、「風俗嬢の代理人って言ってたじゃないか」と主張したところで、録音でもしていない限り証拠がないわけですから、風俗にも示談金を支払わなくてはならないし、さらに風俗嬢と改めて示談契約を結ばないといけない2重払いをするはめになるのです。

こういった巧妙な詐欺的手口に引っ掛からないためには、風俗と示談を交わす際に、風俗嬢の委任状を必ず提出してもらうようにしましょう。

風俗嬢の署名捺印された委任状があれば、風俗と示談書を交わしても、風俗嬢との示談が有効に成立します。委任状は下記文言のような簡易なもので構いません。

【委任状一例】
私は、東京都新宿区新宿○-○ー○号に所在する○○(風俗名)、○○(店長やオーナーの氏名)を代理人と定めて下記事項を委任する。
1. 2017年○月○日午後○時○分頃、東京都新宿区新宿○-○ー○号○○(風俗名や風俗の場合はサービスを受けた場所)において、○○(お客の名前)が盗撮したことに関し、加害者○○(お客の名前)と示談する件
2. 示談金受領の件

2017年○月○日(委任状作成日)
住所:風俗嬢の住所
氏名:風俗嬢本名(印)

また最後に、風俗嬢の委任状がある場合でも、示談書の署名欄には、「○○(風俗嬢の本名)の代理人○○(代理人名)」という署名をさせるよう注意して下さい。

示談書の控えと示談金の受領書は必ず受け取る

示談書は通常2通作成し、双方が署名してそれぞれ保管しておくものです。しかし風俗が一方的に示談書を作成するケースでは、風俗だけがその示談書を持ち帰り利用者の男性が示談書を受け取っていないケースも多発しています。

風俗が一方的に作成して控えを渡さないというのは、利用者にとって都合の悪い内容が書かれてあったとしても確認させないためという目的もあります。

実際にこのようなケースでは、当弁護士事務所に相談があった時に「何が書いてあったのかしっかりと読むことができなかった」「内容についてはあまり詳しいことがわからない」と答える相談者もいました。

最悪の事例では、示談書も交わして既に手渡しで示談金を支払ったのにも拘わらず、示談もしてないしお金も受け取っていないと主張してくる風俗もありました。

こういった事態を防ぐためにも、示談書の控えを受け取ることと、示談金を支払った証拠として受領書も受け取っておきましょう。

示談金相場を越える金額を請求された場合に絶対に示談しない

風俗で盗撮をした場合に法的に支払う必要のある金銭としては、風俗嬢に対する慰謝料相場5~10万円程度です。つまり、示談金も5~10万円の範囲が相場となります。

風俗=不良人間の集まりというイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、健全な人間が法に則って運営している優良風俗も数多く存在します。

当弁護士事務所の経験上、優良風俗であれば、要求してくる示談金が相場を越えることは絶対にありませんし、弁護士が作成した不備の無い示談書のフォーマットもしっかりと用意されていたりします。また、風俗嬢からの委任状もそつなく準備してきます。

風俗の盗撮の示談金相場の上限である10万円を越えるような請求をしてくる店の大半は、自分達に都合の良い内容の示談書を用意し、委任状もなく、控えすら渡さないのが当たり前です。

こういった悪質風俗の場合、示談が成立したあともお金を毟り取ろうと、揺すりたかりの言動で威迫してくることすらあります。そして、何度も金銭を脅し取られた挙句に困り果てて当弁護士事務所に相談に来る方が後を断ちません。このようなケースの時は、絶対に示談をしないよう注意が必要です。

【完全に解決できる示談】を結びたいなら弁護士に依頼しましょう

これまで、風俗での盗撮トラブルを示談で解決させる方法について説明しましたが、相手方に有利な示談の条件を押し付けられて困っている方や、記載すべき条項の不備や高額な示談金での示談書を交わしてしまって途方に暮れている方もいるかと思います。

警察沙汰になったり、家族や職場に知られたくない一心で、風俗側の提示した条件に同意するような発言をしてしまったり、既にサインしてしまったりすることは仕方のないことだと思います。

ただ、反社会的団体と関係している風俗が数多く散在していることは周知の事実であり、脅された恐怖心からすんなりと相手方の要求を飲むと、たとえ書面を交わしていたとしてもそれを反故にして際限なく金銭を求められるケースも多数存在します。

盗撮トラブルに限らず、風俗トラブル全般において、恐喝・強迫・強要といった犯罪に巻き込まれる可能性が極めて高く、相手との交渉を有利にすすめるためには、刑事事件を取扱える資格保有者である弁護士に一任するのが解決への近道です。

これから盗撮トラブルの件で風俗側と示談を交わさなくてはならない方も、既に示談を締結したが撤回したい方も、当弁護士事務所にご相談下さい。

上記の通り、弁護士は刑事事件の知識と取り扱いの職権があります。
風俗側の粗暴な行為を抑止することもできますし、示談書を交わしてしまった後でも、その時の相手の態様が刑事犯罪に触れるような状況であった場合には覆したり、示談書の内容を改めて作り直すことも可能です。

当弁護士事務所は、「家族や職場に一切知られることなく迅速に解決すること」をモットーとして、一人ひとりの弁護士が依頼者を全力で守ります。

親身にそして誠実にご相談に乗りますので、お気軽にお電話下さい。